修習体験レポート

77期 Sさん 修習体験レポート~司法修習生考試(二回試験)編~

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  • プロフィール

  • 司法修習生考試(二回試験)について

  • プロフィール

  • 年代:30代前半 性別:男性

  • 司法修習生考試(二回試験)について

  • ■司法修習生考試に向けた対策、勉強はどういったことを行いましたか

  • 共通:白表紙の復習、集合修習中の即日起案の復習、実際に手を動かして書く練習、同期との情報共有(二回試験の出題に関する他クラス教官からの示唆、過去の不合格事例など)をしました。
    民事裁判:司法試験の時に使っていた教材で民法、商法、民事訴訟法の復習をしました。しなくても合否に関わらなかったように思います。
    刑事裁判:特にありません。
    検察:司法試験の時に使っていた刑法の教材で、総論・各論の復習をしました。
    民事弁護:小問対策(保全・執行、情報収集、和解、弁護士倫理)を重視し、白表紙でこれらの復習をしました。
    刑事弁護:『刑事弁護ビギナーズ』で小問対策をしましたが、白表紙(『刑事弁護の手引き』)で十分だったように思います。

  • ■司法修習生考試に求められる知識は白表紙の内容で十分とされていますが、その通りでしたか

  • 十分ではなく、他のものも活用した

  • ■「十分ではなく、他のものも活用した」を選択した方は、参考にした内容などを教えてください。

  • 検察起案では後半で犯罪の成否が問われるので刑法総論・各論の知識が必要となります。そのため司法試験の記憶がある人は不要ですが、私は忘れてしまっていたので『基本刑法』を使って復習しました。

  • ■司法修習生考試の過去問演習など、本格的に対策を開始した時期はいつ頃からですか

  • 二回試験1か月前

  • ■それぞれの科目の事前対策をする中で、特に役に立った内容や試験で活かされた知識などはありましたか

  • 共通:集合修習中の即日起案とこれに対する教官による解説は二回試験にあたって最重要の知識が詰め込まれていました。
    また、その他では法的な知識というよりも「途中答案は不合格の危険が高まること」「長丁場の試験を乗り切るために体力が重要であること」といった試験の形式や合格基準についての知識が重要だと考えます。
    民事裁判:『事例で考える民事事実認定(ジレカン)』に載っている事実認定の考え方が最重要です。
    刑事裁判:検察官に立証責任があることの意識と、一般常識(一般人の目線でどう考えてもおかしな事実認定をしないこと)が重要だと考えます。
    検察:『終局処分の考え方』の型をマスターすることが最重要です。全科目中、最も型にこだわらなければならない科目のためです。
    民事弁護:小問で出題される保全・執行、和解、情報収集、弁護士倫理の白表紙の知識が役に立ちました。
    刑事弁護:『刑事弁護の手引き』の記載が想定弁論の作成(大問)、小問とも役に立ちました。

  • ■時間配分はどのようにされましたか。事前に決めていたこと、心がけていたことなどはありましたか

  • 基本的には①12時までに大まかな答案構成を終え、②13時までに昼食をとりつつ小問の起案をし、③13時以降は大問の起案を行うようにしていました。
    ただし検察起案では共犯が出題され犯人性検討の分量が多くなると考えたため、12時半ごろまでに小問を終えるようにしました。
    このような時間配分については各科目の教官が(少なくとも質問すれば)教えてくれると思います。

  • ■後輩になる方々へ司法修習生考試に臨む、準備をする上でアドバイスがあればお願いします

  • 大事なことは①集合起案の復習をして、②途中答案を作らず5日間最後までやりきることです。また、不合格率はここ数年は1%未満であり合格のハードルは司法試験より相当低いです。ですので、一通り集合起案の復習をしたら心身とも健康な状態で試験に臨めるように体調管理を優先するのが良いと思います。
    試験期間中、終わった科目について「あの問題は○○が正解らしい」等のうわさが出回ったり、自分で大きなミスに気づいたりすることもあると思いますが、そんなことは気にせず次の科目の準備だけを考えてください。
    満点を狙うことなく平常心で試験に臨めばきっと大丈夫なはずです。頑張ってください!