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エージェントが語る!弁護士が転職を成功させるポイント9~インハウスから法律事務所への転職について~

目次
  • 1.インハウスから法律事務所への転向は今がチャンス!?

  • 2.インハウスから法律事務所へ転向で多い理由、動機は?

  • 3.法律事務所側が採用の際にインハウスローヤーを評価するポイント

  • 4.インハウスから法律事務所へ応募する際、注意すべきポイント、NG例など

  • 今回は、インハウスの弁護士が法律事務所へと転職する際のポイントについて、弁護士専門のエージェントの方へお伺いしていきたいと思います!

  • 1.インハウスから法律事務所への転向は今がチャンス!?

  • 質問者
    一昔前は「インハウスから法律事務所への転向は難しい」と言われていたそうですが、最近では弁護士の就職難が改善されたことなどもあって、様変わりしているのでしょうか?

    エージェント
    はい、特にこの1~2年で大きく変わっています。今は完全に「売り手市場」です。弁護士を採用したい求人が非常に増え、需給バランスから全体的に売り手市場にシフトしています。また法律事務所側でもインハウスローヤーに対する見立てが変わり、むしろ評価する弁護士が増えています。今はインハウスから法律事務所に転職を希望する弁護士も多いですし、採用を希望する法律事務所も多数あります。

    インハウスから法律事務所への転職は今がチャンスとも言えそうですね!

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  • 2.インハウスから法律事務所へ転向で多い理由、動機は?

  • 質問者
    もともとインハウスにいた弁護士が法律事務所に移りたいと希望するとき、動機はどのようなものが多いのでしょうか?

    エージェント
    弁護士となって当初からインハウスに行かれた方か、一回法律事務所に就職してその後インハウスに転向し、再度法律事務所に戻りたいと希望する方かで動機が多少異なります。
    当初からインハウスに行かれた方は、就職難などである意味やむなくインハウスを選択された方がいらっしゃいます。そういった方の場合、「弁護士になったのだからやはり法律事務所で働きたい」と考えて法律事務所への転身を希望します。

    一方事務所からインハウスに転職した弁護士が、再び事務所への転職を希望する場合は複雑です。こういった先生のパターンとして、入所した事務所があまりに忙しく働いて「これではいけない」と思い、ワークライフバランスを求めてインハウスに転向したケースがあります。ところが企業では、仕事の関わり方が法律事務所と異なるため、あらためて自分が本当にやりたかったことを再認識します。そこで再度弁護士の集まる法律事務所で働きたいと希望し始めるケースがあります。

  • 3.法律事務所側が採用の際にインハウスローヤーを評価するポイント

  • 質問者
    インハウスローヤーが法律事務所側にアピールできることはあるのでしょうか?法律事務所側が評価するポイントはどのようなものとなっていますか?

    エージェント
    インハウスにいた方は「企業の意思決定プロセス、組織としての論理、企業が関心を寄せるビジネス(事業)」を内側から理解しています。実はこういった経験は、法律事務所しか経験していない弁護士には得られない貴重なものです。企業法務を取り扱う弁護士のクライアントは企業なわけですから、企業の内部を肌で知っている人材は重要です。クライアントとしての企業を外と中の両方から知っているからこそ、本当の意味でクライアントに寄り添える人材となってくれることを期待できます。

    またインハウスにいた弁護士は、組織としてチームで活動することに慣れています。法律事務所内でも弁護士がチームでプロジェクトを進める際などに使いやすく、コミュニケーションをとりやすい人材と評価されます。

  • 4.インハウスから法律事務所へ応募する際、注意すべきポイント、NG例など

  • 質問者
    インハウスから法律事務所へ応募する際、注意すべきポイントや書類作成、面接の際に気を付けるポイントなどはありますか?

    エージェント
    重要なのは「もともとインハウスを志した理由」と「法律事務所への転向理由」の説明です。
    たとえばファーストキャリアがインハウスの先生が「インハウスしか行くところがなかった」「法律事務所の仕事は厳しそうと感じたから企業へ行った」などと説明すると「働くうえでの気持ちが甘い」と思われて選考で落とされる可能性が高くなります。
    法律事務所からインハウスに移るケースも基本的には同様で「ワークライフバランスを実現したかった」ことをあまり強調するのは好ましくありません。
    そうではなく「企業法務弁護士となるため、一度は企業内を経験しておく必要があると思った」「自分のキャリアパスとして必要なプロセスと考えた」などポジティブな理由を説明しましょう。
    再び法律事務所に戻る理由も「やっぱりインハウスも合わないと思った」などではなく「最終的には弁護士として企業法務を専門でやっていきたいと希望していたので、その目的を果たすために転向を希望した」などと積極的な理由を説明しましょう。

    履歴書・職務経歴書の作成や面接の際、上記のような流れに従って対応していけば、比較的スムーズに選考に通りやすくなるケースが多数です。



    インハウスから法律事務所に転向される先生は、もともと業務多忙な大手事務所におられてワークライフバランスを実現するためにインハウスに行ったけれど、やはりキャリアとして物足りなくなって再び中堅どころの企業系法律事務所やブティックファームへ転向される方が多いとのこと。

    今は弁護士の雇用情勢が売り手市場にシフトしており、なおかつ企業内弁護士に対する評価も高まっているので、インハウスの先生にとっては転職のチャンスと言えそうです。ぜひとも参考にしてくださいね!

  • インタビュアー

  • 法律ライター 元弁護士

    京都大学在学中に司法試験に合格、弁護士登録
    勤務弁護士を経て法律事務所を設立、経営
    現在は弁護士の実務経験を活かし、多数の法律メディア、法律事務所、弁護士などの法律関係者向けのメディアなどで執筆業をおこなう。

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