原子力規制委員会 原子力規制庁
掲載期間:2024/12/12 ~ 2025/01/15
2024/12/12
-
-
ポジション
-
原子力規制委員会任期付職員(訟務調整官)
-
-
-
勤務地
-
東京都
-
-
-
報酬
-
700万円 ~ 1000万円
-
-
-
応募に必要な書類
-
履歴書(指定様式(https://www.nra.go.jp/nra/employ/ninki_20210118_01_00029.htmlよりダウンロードして下さい)をお使い下さい。)
・顔写真を貼付したもの。
-
- 目次
-
新井 吐夢 原子力規制庁長官官房 参事官(法務担当)
弁護士(61期) 藤田 悟郎 原子力規制庁長官官房法務部門 上席審理調整官
入庁理由/“国の代理人”として、公平・公正な立場で訴訟に専念
法務部門で実際に原発訴訟の対応に携わる、後藤尭人弁護士(70期)と、野澤崚弁護士(72期)に、入庁理由を聞きました。
――入庁理由を教えてください。
後藤:入庁した理由は二つあります。一つは、もともと“環境問題への関心が高かったから”です。環境問題に関与する弁護士になりたいと考え、学部生時代から司法試験受験に至るまで、環境法を学んできました。原子力規制委員会は「原子力に対する確かな規制を通じて、人と環境を守る」という使命のもとに設立された行政機関です。その理念と“規制の面から環境問題に取り組める”という点に強く惹かれたことが一番の入庁理由です。もう一つは、訴訟対応力を高められると考えたからです。私の前職はIT系ベンチャー企業のインハウスローヤーで、契約書チェックなどの法務業務のほか、株主総会や取締役会の事務局といった総務系業務も経験させてもらいました。それらの事務局経験が今の仕事にも生かせていますし、想像したとおり、たくさんの訴訟経験を積むことができています。
野澤:私は、企業法務を中心として、ファイナンスや不動産関連訴訟などを多く取り扱う法律事務所に所属していました。入庁理由としては、原子力分野に漠然とした興味があったこと、“裁判所に理解してもらうために日々書面を書いていく”環境に身を置くことで、法曹としての力がさらに伸ばせるのでは、と考えたからです。もう一つは、“国の仕事”は、自分も一国民として正しいと考えること――倫理観や価値観――を、「公平・公正な立場で貫き通せる仕事だ」と感じたことでしょうか。この仕事は、庁内や関係省庁など大勢の人・組織の協議や決裁を経ますから、担当者の原案は、協議・決裁の過程で慎重に、多角的に吟味され、品質・完成度が高められます。国民全体の利益に通じる“正しい政策”をかたちにするこの仕事は、私が希求する弁護士業のスタイルに合致していると思っています。
弁護士(70期) 後藤 尭人 原子力規制庁長官官房法務部門 訟務調査官
弁護士(72期) 野澤 崚 原子力規制庁長官官房法務部門 訟務調整官
仕事について/自分のチーム、法務部門内、庁内関連部門と強く連携
――入庁後の仕事の進め方を教えてください。
野澤:入庁当時は国賠訴訟が主でしたが、現在は行政訴訟も担当しています。進め方はどちらも基本的に同じで、各訴訟チームを中心に部門内でしっかり検討し、裁判所が理解してくれるかたちを目指して、関係省庁との協議を経て、充実した書面となるように作成を進めます。前職時代も訴訟は相当数担当していましたが、それでもおそらく十数件だったと思います。法務部門で取り扱う訴訟は、国賠訴訟が30件以上、行政訴訟が約15件。数も多いのですが、世間の耳目を集める大型の訴訟ばかりです。当然ながら、先ほど申し上げた書面作成の過程では、常に原子力規制委員会としての見解を求められるので、記載内容に問題がないか、チーム内はもちろんのこと上司を含めた法務部門内の決裁、平行して審査や研究を行う技術部門などへの確認を求めつつ、先に進めていかねばなりません。上司からはよく「(技術の説明が)専門的過ぎてわかりにくい」と指摘されるのですが、そうしたときには、「では裁判所が理解しやすい記載とはどういったものがあるだろうか?」という観点から、庁内の関連部門と協議・調整、自らも突破口を考え抜くということの繰り返しです。組織として動くことの大変さ、多方面の見解を吸収していくことの難しさはありますが、納得のいく書面ができた時は、やはり大きな達成感があります。
後藤:訴訟に際して、チーム内での書面の起案や関係各所との調整業務が、私の主な役割です。また、証人尋問にあたり、尋問の内容を検討する業務も多くなっています。私は訴訟対応経験があまりなかったので、入庁当初は「果たして自分に、訴訟代理人が務まるだろうか」と正直なところ不安がありました。しかし、チーム体制での分担・協働が基本なので、一人で訴訟対応をすべて行うことはありませんし、例えば準備書面作成の基本といったことについても、そのつど上司に相談し、丁寧に教えてもらいながら習得することができています。また、部門内には過去の訴訟事例の記録が豊富に蓄積されています。手が空いた時に、「この論点に関してはこうした方針で反論しているんだな」「こうした書面の書き方があるのだな」と、自学自習で学んでいます。加えて法務部門内には法曹資格者以外に、庁内の審査経験者や研究者も多数在籍しています。原子力工学や地震・火山などの専門的知見を有する仲間に、気軽に質問できる環境は非常にありがたいです。
――「この仕事に就いてよかった」と思うことを教えてください。
後藤:野澤も話したとおり、原子力規制委員会の考え方を、書面等を通じてきちんと正しく裁判所に伝えることができた時は、やはりうれしいですね。訴訟で争われるのは主に「審査の内容が正しいか」「原子力規制委員会が用いる審査基準は合理的か」といったことになりますが、例えば前者が論点となる時は「当時はどのような背景・考えがあって審査したのか」というところまで掘り下げる必要があり、議事録の文字を読み込むだけではなく、実際に審査を担当した部門の担当者に直接会い、ヒアリングをしたりもします。そのヒアリング内容を裁判所にどう伝えるかを検討し、準備書面を完成させて裁判所に提出します。無事に提出できた時、庁内の審査担当者から「きちんと審査の考えも書面に落とし込んでくれてありがとうございます。次も後藤さんにお願いします」と言ってもらえた時は、「この仕事をやっていてよかった」と実感します。
野澤:2022年に、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う国賠訴訟の最高裁判決が下されましたが、私が入庁した当時は係属中の国賠訴訟が30件以上あり、高裁段階での勝ち負けでいえば国が厳しい状況にありました。同種事案について最高裁判例が存在しないなか、ある意味で未知の領域において同僚とともに日々頭を悩ませ、なんとか上告受理申立を提出し、結果、勝訴となりました。判決言渡しの日には出廷もしましたが、あのような大型訴訟の最高裁判決の言渡しを法廷で聞く機会は当然初めてで、得がたい貴重な経験となりました。もちろん、この判決については賛否両論があるかもしれませんし、我々は、自らの仕事の原点ともいえる東京電力福島第一原子力発電所事故の重大さを忘れることはできませんが、訴訟の過程でお世話になった専門家の方などから「国の主張が認められてよかった」というコメントをいただくと、担当者としては苦労が報われるといいますか、やりがいを感じるところです。
また日々の仕事では、訴訟の論点について、庁内の専門家などとやりとりしていくなかで、だんだんと技術者の方々の視点・発言が“法務に近づいている”と実感する場面が増えました。例えば、審査担当者の方たちもより一層、専門家でない国民にも分かりやすい説明を心がけながら審査にあたってくれる――といったようなことです。“確かな規制”の実現には、私たち法務部門のプレゼンスが庁内外で高まることが必須です。まだまだ道半ばですが、私たちがその一助となれていることを実感できています。
キャリアについて/若手弁護士も中堅弁護士もそれぞれにキャリアアップ可能
――任期後のキャリア・予定を教えてください。
後藤:私は任期付職員として3年勤務し、任期中に原子力規制庁が実務経験者職員の募集を行っていたのでこれに応募し、2024年4月1日からは正職員となりました。原子力分野、自然ハザードなどの知見を高めるため、引き続き勉強していきたいと思います。そして訴訟対応に尽力しつつ、担当した訴訟の結末を見届けていきたいと考えています。とはいえ、正職員となったからには部門間異動の可能性もあり得るところです。今後も訴訟対応を軸に置きつつも、原子力の規制そのものへの関心もあるため、審査や規制の企画立案を所管する部門の仕事にも関わることができればと思いますし、それ以外の部門でも、法務部門での経験を生かし、予防法務のような観点からアドバイスを行うことで、組織全体に貢献することができればと思います。
野澤:私は任期付職員4年目になります。今後については未定ですが、“国の仕事”に大きなやりがいを感じていますので、おそらく任期後も当庁か、ほかの行政機関で訟務など、国の仕事を法的にサポートするような仕事に就けたらと思っています。
藤田:法務部門は、若手弁護士に限らず中堅弁護士も、そのキャリアを存分に発揮できる職場だと思います。例えば原発訴訟に関していえば、国は被告側になるわけですが、原告側の主張を踏まえて、原発の安全性という観点を鑑み、どのような立証手段があって、どのような主張・反論ができるかなどを考えていく――おそらく入庁後、すぐにそういった国の訴訟の最前線に立ち、実戦的な仕事に携わることができると思います。私くらいの修習期の弁護士は、多くのクライアントを抱えていたり、家庭の都合などもあって、転身を躊躇する事情もあるでしょう。ただ、任期付職員は文字どおり任期が決まっていますので、あまり気負わず、“大型訴訟”や“未知の領域の訴訟”で力試しできる好機ととらえてもらえるとうれしいです。当庁での業務は、弁護士としての経験を存分に生かすことができるものですし、若手にとっても中堅にとっても、自身のキャリアアップに必ず有用な経験をもたらしてくれるはずです。
原子力規制庁は、設立から12年の“若い組織”
メッセージ/各自の多様な経験を生かせる場づくりを!
――どのようなタイプの弁護士が向いてますか。
後藤・野澤:原子力工学など原子力分野に関する専門知識は、入庁にあたっては不要です。私たちも入庁後、庁内の様々な部門の方から教えてもらいました。ですから、わからないことを素直に「わかりません」「教えてください」と聞くことができれば、すぐに職場になじめると思います。庁内は、ほとんど“さん付け”で呼び合うフラットな組織・カジュアルなカルチャーなので、コミュニケーションも取りやすいと思います。
藤田:当庁に限らず組織で仕事をしていくうえでは、やはり個々の考え方を受け入れつつ、多様な意見を戦わせながら協議できるバランス感覚を持つ方が望ましいです。また、当部門の業務は、準備書面の作成が大きなウェートを占めますが、場合によってはそれが数百ページにおよぶものになることもあります。仕事の基本は共同作業ですが、誰かがハンズオンで対応しなくてはならないので、常に主体的かつ積極的に手を動かせる方を歓迎します。
新井:組織で働く、チームで働くことが前提ですから、もちろんコミュニケーション力や、粘り強い調整力は最低限必要です。一方で、組織マネジメントの観点でいえば、多様な前職・経験・考え方を持つ人が集う部門にしていきたいと考えています。同じような考え方、似通った経験の人ばかりが集まっても、チームは活性化しません。例えば起案が得意な人、情報収集力が高い人、意見調整に長けている人など、それぞれが持つ優れた面を出し合い、相互に補完し合い、チームとしてのパフォーマンスを最大化して、各自が大きなやりがいを得られる職場をつくっていきたいですね。
――最後にメッセージをお願いします。
新井:藤田、後藤、野澤がお話したとおりで、私自身も原子力分野の専門知識は当庁に来るまでは持っておらず、まさに今、勉強しながら業務遂行しているところです。裏を返せば、仕事のなかでこれほどまで勉強ができる組織も、そうないということです。やや大げさに言えば“勉強が仕事”といった面を持つのが、法務部門の特徴です。法律家の多くは知的好奇心にあふれたタイプが多いと思いますし、学ぶことが好きな方も多いのではないでしょうか。そのように、企業法務や一般民事といった一般的な弁護士の仕事では知る機会も接する機会もまずない専門知識を吸収しながら、それを裁判所を説得できる言葉(書面)で表現していく――そんな、非常にチャレンジングな経験ができます。自分の能力をスキルアップしたいという意欲さえあれば、仲間が皆さんの成長をサポートできるように努めていきますので、ぜひふるってチャレンジしていただければと思います。
原子力規制庁には、弁護士や検察庁出身者など、多彩な法曹有資格者が所属
募集要項
-
-
ポジション
-
原子力規制委員会任期付職員(訟務調整官)
-
-
-
業務内容
-
原子力規制委員会では、原子力施設の安全規制に関する業務を行っております。
長官官房法務部門においては、原子力規制委員会が関係する訴訟の総括を行っており、これら訴訟に係る対応方針の策定を始め、準備書面等の主張・立証に必要な資料の作成、内外との調整、期日対応が主な職務になります。
-
-
-
必要な業務経験
-
以下の全ての要件を満たす者
(1)弁護士資格に加えて、原子力行政に対する関心を有していること
(2)弁護士として、国や地方公共団体、法律事務所、企業等における勤務経験を有していること
(3)採用予定期間(1年間(予定))にわたり、継続して勤務が可能なこと
なお、次のいずれかに該当する者は、応募資格がありません。
(1)日本の国籍を有しない者
(2)国家公務員法第38条の規定により国家公務員となることができない者
・禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
・懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から2年を経過しない者
・人事院の人事官又は事務総長の職にあって、国家公務員法第109条から第112条までに規定する罪を犯し、刑に処せられた者
・日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者
(3) 平成11年改正前の民法の規定による準禁治産の宣告を受けている者(心身耗弱を原因とするもの以外)
-
-
-
雇用形態
-
その他 一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する法律(平成12年法律第125号)に基づき、常勤の国家公務員として採用
-
-
-
勤務地
-
東京都
-
-
-
勤務地(詳細)
-
原子力規制委員会 原子力規制庁
〒106-8450 東京都港区六本木1-9-9 六本木ファーストビル
東京メトロ南北線「六本木一丁目駅」徒歩4分
東京メトロ日比谷線「神谷町駅」徒歩8分
※業務に支障のない範囲で在宅勤務も可能です。
-
-
-
報酬
-
700万円 ~ 1000万円
-
-
-
報酬詳細
-
※扶養手当、住居手当、超過勤務手当等は支給されません。
-
-
-
弁護士会費の事務所負担
-
なし(任期付職員として採用されたのちは、弁護士登録をしていただく必要はございません。)
-
-
-
個人事件の受任
-
不可
-
-
-
勤務時間
-
原則として、平日午前9時30分から午後6時15分(土・日・休日を除く。フレックス制度も利用可能。必要に応じ、超過勤務あり。)
-
-
-
休日・休暇
-
年次休暇20日(年の途中で新たに職員となった場合には、その年の在職期間に応じて決定。翌年に繰越し可能。)、特別休暇(3日間の夏季休暇を含む。)、病気休暇、介護休暇・時間
-
-
-
福利厚生
-
各種福利厚生制度あり
-
-
-
採用予定人数
-
若干名
-
-
-
その他補足事項
-
(1)詳細については、https://www.nra.go.jp/nra/employ/ninki_20210118_01_00029.htmlも確認した上でご応募いただくようお願いいたします。
(2)応募の秘密については、厳守します。
(3)最終的に採用内定者に選考された場合、現在職に就いている方は、採用時に当該所属先から退職していただく必要があります(休職は不可)。
-
選考プロセス
-
-
応募に必要な書類
-
履歴書(指定様式(https://www.nra.go.jp/nra/employ/ninki_20210118_01_00029.htmlよりダウンロードして下さい)をお使い下さい。)
・顔写真を貼付したもの。
-
-
-
選考プロセス
-
・1次選考:書類選考
・2次選考:面接
※書類選考の結果、2次選考(面接)を行うことになった方のみ、2次選考の日時場所等をご連絡します。
-
-
-
応募方法
-
【提出方法】
電子メール
【提出先(宛先)】
原子力規制委員会原子力規制庁長官官房法務部門
任期付職員(弁護士)採用担当
メールアドレス:houmu_saiyou@nra.go.jp
*応募時のメール件名は、必ず「任期付職員採用:○○○○」(○○○○は氏名)としてください。
【応募受付期間】
令和7年1月15日(水)まで
-
事務所情報
-
-
事務所名
-
原子力規制委員会 原子力規制庁
-
-
-
事業内容
-
原子力に関する安全規制
【具体的には】
・原子力施設に対する規制基準への適合性審査
・原子力事業者等が行う安全活動の監視
・原子力防災体制の整備・維持
・原子力災害対策
・原子力施設への査察
・環境放射線の監視
・東京電力福島第一原子力発電所事故の調査
・原子力規制に係る人材育成
・訴訟対応 他
-
-
-
事務所の特徴
-
原子力規制委員会は、福島第一原発事故の教訓に学び、二度とこのような事故を起こさないために、そして、我が国の原子力規制組織に対する国内外の信頼回復を図り、国民の安全を最優先に、原子力の安全管理を立て直し、真の安全文化を確立すべく設置されました。原子力に対する確かな規制を通じて、人と環境を守ることが当委員会の使命です。
原子力規制庁は、当委員会の事務局として置かれた行政機関になります。
原子力規制庁の訴訟対応チームでは、当委員会の行政処分に関する訴訟や福島第一原発事故の国賠訴訟を担当しており、法曹や技術者など多様なメンバーが原子炉施設、地震・火山等の自然現象など、高度に専門的な技術や知見に触れながら、国の代理人として活動しています。
-
-
-
所在地
-
東京都港区六本木1-9-9 六本木ファーストビル
-
-
-
URL
-
この求人を見た人におすすめの非公開求人